INTERVIEW MOVIE 保守点検篇 Apr. 2018 Update

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東京メトロでは、終電後の深夜時間帯に、電車を走らせるための電気を止めて、設備の保守点検を実施しています。
この保守点検作業を行うのが、東京メトロの工務部と電気部の社員。
点検が出来るのは、午前1時から4時までのわずか3時間です。
始発電車が動き出すまでの限られた時間に、一体どんな取り組みが行われているのでしょうか?

「見て、聞いて、直す」、工務部の保守点検!

深夜、地下鉄の線路上を歩く人の姿があります。
この人たちは、レールの点検作業を行う「工務区」の社員です。
軌道やトンネル、駅などの保全などを手掛ける「工務部」には、主にレールやまくらぎなどの保守を担う「工務区」があります。
「レールの保守点検」は工務区の重要な作業のひとつで、その基本は、「目視、打音※1、補修」。
昼間、列車運行の合間に、目で見て「異常」になりそうなものを識別、必要であれば打音検査なども行います。
この点検結果に基づいて、線路の保守計画を立て、深夜に補修作業を行うのです。

※1 打音検査:テストハンマーでレールの締結装置などを叩き、その音によってボルトの緩みや亀裂の有無を確認する検査方法。

電車の安定運行を支える、電気部の保守点検!

東京メトロの電気を司る「電気部」には、各線の変電所を管理する「変電区」があります。
「変電所」では、電力会社から受電した電力を、車両や駅設備で使用するために「変電」しています。
電力会社からの電力は、家庭用と同じ「交流」ですが、高い電圧で届きます。
このため、駅設備などで使う場合は電圧を下げる必要があります。
加えて、東京メトロの電車は「直流」で動きますので、交流の電気を直流に「変電」する必要があるのです。これらの作業が、沿線各所にある東京メトロの「変電所」で行われています。
この変電設備を保守点検するのが、「電気部」の仕事です。

目で見て、足で歩き、体で経験を積み重ねていく工務部!

工務区では、ベテランから若手のチームで日中の点検業務と、夜間の交換・保守作業を行っています。作業前には、チームでKYT(危険予知訓練)を行い、現場の危険ポイントをあらかじめ共有します。
いざ、線路に入れば、レール、トンネルの壁の状態など、あらゆる方向に注意を払いながら、レールの状態を自分の目で確認していきます。
特に要注意とされるのは、分岐器※2、曲線、継ぎ目。
最初は軌道の状態を見てもすべて同じに見えるそうですが、経験を積むことで注意を払うべき場所が徐々にわかってくるといいます。また、チームの若手は同じチームのベテランから数々の技を学んだり、“盗む”形で、世代間の連携、技術の伝承も行われるということです。

※2 分岐器:1つの線路から他の線路に分けるための装置。

機器ひとつひとつに注がれる、電気部の愛!

「変電所」の主な機器は、「変圧器」「遮断器」「整流器」です。「変圧器」は電圧を変換し、「遮断器」は電気回路を開閉、「整流器」は交流の電力を直流の電力に変換します。これらに代表される機器が正常に作動して初めて、電車は安全に走ることが出来るのです。
電気部は、これらの設備の定期的な検査や、計画的な改良・修繕を行っています。

深夜に点検を行い、目で見て部品の状態を確認していきます。点検項目は非常に多く、安全に作業を進めるため、作業に入る前に「STKシート」をみんなでまとめます。
「S」は作業、「T」はチーム、「K」は危険予知のこと。
点検テーマや重要なチェックポイントを表にまとめ、これを現場に入る直前に読み合わせすることで、緊張感を持って点検に臨みます。

電気部の方によれば、機器の内部は狭くて、埃が溜まりやすいといいます。
機器の稼働に埃は危険なため、点検時には特に埃を注視しながら行っていると話されていました。

一つ一つの機器にも、まるで我が子のように愛情を注いで、安定した列車運行を守る姿がそこにはありました。

「安心してご利用いただける地下鉄」のために・・・。

朝、地下鉄の自動改札を通れば、電車は数分おきにやってきます。
車内ではスマートフォンの画面を見ながら最新情報をチェック。
そして、いつもの駅で下りて、オフィスや学校へ向かう・・・、ごく日常の「東京の朝」です。
多くの人を乗せた電車が安定運行できるのも、電車の揺れが少なくなっているのも、
実は線路や変電所をはじめ、様々な設備の保守点検があるからと言っても過言ではありません。
「安心して乗っていただきたい」・・・その思いが1本1本の電車に詰まっているのです。

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